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左ハンドル車の事故率は高い?左ハンドル車の事故率について

左ハンドル車の事故率は高いのか?

実際には、この100年で左右ハンドル車の事故率の差は見られない

左ハンドルの事故率に関しては、輸入車の国内チャネル戦略、マーケティング戦略、戦略実践研修体系立案などを専門分野とする小森正隆さんの言及が参考になります。

「左側通行には右ハンドル」という考え方は、100年以上前の道路状況を踏まえたものだ。実際には、この100年で左右ハンドル車の事故率の差は見られない。右折時や追い越しの時に視野が限られるということはあるが、かえって心理リミッターが働き用心するようになる、と著者は主張している。
引用元: 「『左ハンドル国産車が日本を救う』  -日本経済V字再生のための国富戦略シミュレーション

扱いづらいからこそ、集中力や緊張感が保たれるのは、車の運転だけでなく、いろんなことに当てはまりそうです。そう考えると、事故率が上がるリスクというのは、運転のしづらさではなく、危険に対する意識の強さが大きく関わっているように感じます。

交通事故死の7割が、車対歩行者や自転車、自動二輪の事故

左ハンドル車は歩道側が見えやすい

警察庁交通局の2012年中の交通事故の発生状況によれば、シートベルトとエアバックで完全防御された自動車に乗車中に起きた事故の約7割が軽傷となっています。

交通事故死にスポットを当ててみましょう。交通死亡事故は約7割が、車対歩行者や自転車、自動二輪の事故になっています。

左側通行における左ハンドル車を想像してみて下さい。左ハンドル車は歩道側が見えやすいですよね。目視で確認しやすく、歩行者や自転車を左折で巻き込む心配はほぼないと言えるでしょう。

すれ違い時の安全性は、左より限界の道取りができるので、対向車との接触確率は著しく低くなります。右折時には、右ハンドル車に比べて左ハンドル車のほうが対向車線を走る直進車が近く感じるので、無理な距離での右折をしなくなります。

結果的に、日本の左側通行での左ハンドル車の事故率は低くなると言えます。

左側通行・左ハンドル車の国の事故対策の実態

日本は左側通行で、左ハンドル車を自由に使うことができます。一方、同じ左側通行のイギリスやオーストラリアは状況が異なってきます。

  • 左側通行のイギリスでは左ハンドル車に割高な保険料が掛かる
  • 左側通行のオーストラリアは左ハンドル車禁止
  • 右側通行のアメリカではほとんどの州で右ハンドル車は禁止

オーストラリアやアメリカは、そもそも車に乗ること自体が「死と隣り合わせである」という認識が強いかもしれません。交通事情、交通文化、住民性が日本とは異なってくるため、日本における左側通行左ハンドル車の事故率が低いとしても、他の国で同じようになるとは限りません。

高級車のボディの強さは異常:事故が起きても死亡率が低い

photo by Faiz Zaki / Shutterstock.com

崖から120mから落ちても命に別状はなかったメルセデスベンツ

メルセデスベンツSクラスの2010年モデルの「S400ハイブリッド」が米国カリフォルニア州の観光名所、ヨセミテ国立公園の山道を走行中、対向してきたSUVが車線を逸脱。これを避けようとしたSクラスは、崖から約120m下へ転落するという事故が起きました。

転落したSクラスのドライバーは、ドアを開け、自力で脱出、軽傷で済みました。

つまり、自分が運転する分には、最悪の事態は避けられる傾向にあると言えます。

日本は高齢ドライバー事故の方が深刻

左ハンドル車が高齢ドライバーに巻き込まれる可能性があるということ

経団連21世紀政策研究所の報告書「グローバルJAPAN-2050年シミュレーションと総合戦略-」では、2050年の人口は1億人を割り、65歳以上が全体の4割を占めるようになると予想されています。

運転者が後期高齢者の死亡事故件数は、75歳未満と比較して、免許人口10万人当たりの件数が2倍以上多く発生している
引用元: 【高論卓説】増える高齢ドライバー事故 免許証、納得できる自主返納に知恵|SankeiBiz

怖いですよね。自分が運転している時に、どんなに安全運転の意識を働かせていても、高齢者が交通状況の秩序を壊してしまったら、事故はどうしても起こってしまいます。

モンスター高齢者がモンスターな運転をしないことが、これからの事故率が上がらない秘訣です。

最後に:安全技術の進化により左ハンドル車の事故率も減っていく

車は技術革新が進み、自動運転を含む最新の安全が搭載された車にあらゆる人が乗り換えることによって、事故率を相当減らしていくことができるようになるでしょう。

ガラパゴスな車で、老いた脳と目、疲れた体、緩い安全意識、独りよがりな運転、そんなことをしている人が多ければ、車の危険は変わらないでしょう。

結局、事故は車そのものというよりは、人そのものがどうあるかに関わるところが大きいのです。

<参考資料>