交通事故証明書の取り方|申請方法・必要書類・届け出の手順を解説
交通事故証明書とは何か、なぜ必要なのか。申請方法は3通り(窓口・郵送・インターネット)。必要書類や発行手数料、届け出が遅れた場合の対処法まで、手続きの流れを業界22年のプロが解説します。
交通事故証明書は保険金請求の必須書類。警察に事故届け出をしていれば、自動車安全運転センターで申請できます。申請方法は窓口・郵送・インターネットの3通り。発行手数料は1通800円、発行まで約10日が目安です。
- 警察に届け出をしていないと発行されない
- 保険会社が代行してくれるケースも多い
- 事故から5年以内なら申請可能
交通事故証明書とは?何に使うのか
交通事故証明書は、「この日時にこの場所で交通事故が発生した」ことを公的に証明する書類です。自動車安全運転センターが、警察の事故記録をもとに発行します。
交通事故証明書が必要になる場面
- 自動車保険の保険金請求:対人・対物・車両保険いずれも必要
- 自賠責保険の被害者請求:治療費や慰謝料の請求時
- 示談交渉:事故の事実を証明する書類として
- 裁判(訴訟):事故の事実関係を立証する証拠として
- 勤務先への報告:通勤途上の事故で労災を申請する場合
つまり、事故後のあらゆる手続きの「出発点」になるのが交通事故証明書です。事故直後の対応から保険請求までの全体の流れについては「事故後の対応手順|警察への届け出から保険請求までやるべきこと」で時系列にまとめていますので、あわせてご確認ください。
交通事故証明書は警察に事故の届け出をしていないと発行されません。事故当日に警察を呼ばなかった場合は、後日でも届け出は可能ですが、時間が経つほど受理してもらえなくなるリスクが高まります。「警察を呼ばなかったけど保険は使いたい」という相談が後を絶ちませんが、こればかりはどうにもならない。事故が起きたら必ず警察に届け出てください。
交通事故証明書の申請方法【3つの方法】
交通事故証明書の申請方法は、窓口・郵送・インターネットの3通りです。
| 申請方法 | 手順 | 受取までの日数 | 手数料 |
|---|---|---|---|
| 窓口(直接申請) | 自動車安全運転センターの窓口で申請書に記入・提出 | 即日〜翌日(事務所による) | 1通800円 |
| 郵送(郵便振替) | ゆうちょ銀行・郵便局で専用の振替用紙を使って申請 | 約10日 | 1通800円+振替手数料 |
| インターネット | 自動車安全運転センターのWebサイトから申請 | 約10日 | 1通800円+払込手数料 |
方法1:窓口で直接申請する
自動車安全運転センターの事務所に直接行って申請する方法です。福岡の場合は福岡県自動車安全運転センター(福岡市博多区東公園7-7)が窓口。受付時間は平日の8:30〜17:15。申請書はその場でもらえます。最短で即日発行してもらえるのがメリットです。
方法2:郵送で申請する
ゆうちょ銀行または郵便局に備え付けの「交通事故証明書申込用紙」に必要事項を記入し、手数料を振り込むことで申請できます。証明書は約10日後に自宅に届きます。窓口に行く時間がない方に便利な方法です。
方法3:インターネットで申請する
自動車安全運転センターの公式サイト(https://www.jsdc.or.jp/)からオンラインで申請できます。24時間申請可能で、クレジットカードやコンビニ払いで手数料を支払えます。約10日で自宅に届きます。
保険会社が代行して交通事故証明書を取得してくれるケースも多いです。保険金の請求手続きの際に「事故証明書はこちらで取得しますか?」と聞かれることがあるので、自分で申請するのが面倒な場合は保険会社に確認してみましょう。
申請に必要なもの
窓口申請の場合
- 申請書(窓口で入手可能)
- 手数料800円(現金)
- 本人確認書類(運転免許証など)
- 事故の届出警察署名・届出日がわかるもの
郵送申請の場合
- 交通事故証明書申込用紙(ゆうちょ銀行・郵便局で入手)
- 手数料800円+振替手数料
インターネット申請の場合
- 事故当事者の氏名・生年月日
- 事故の届出警察署名
- 事故発生日
- クレジットカードまたはコンビニ払いの準備
「届出警察署名がわからない」という方が結構いますが、事故当日に警察を呼んだ際の受理番号のメモがあればそこに記載されています。メモがない場合は、事故発生場所を管轄する警察署に電話して「○月○日に○○交差点で事故の届け出をしたのですが」と聞けば、記録を確認してもらえます。
交通事故証明書に記載されている内容
交通事故証明書には以下の情報が記載されています。
| 記載項目 | 内容 | 注意点 |
|---|---|---|
| 事故の種類 | 人身事故 or 物損事故 | 後日変更も可能(人身への切り替え) |
| 発生日時 | 年月日・時刻 | 警察の記録に基づく |
| 発生場所 | 住所 | 交差点名や道路名で記載されることも |
| 当事者の情報 | 甲・乙の氏名・住所・生年月日 | 甲=過失が大きいとされる側(暫定判断) |
| 車両番号 | ナンバープレートの情報 | — |
| 届出警察署名 | 事故を届け出た警察署 | — |
交通事故証明書に記載される「甲(第一当事者)」は過失が大きいとされる側です。ただし、これは警察が事故現場の状況から暫定的に判断したもので、最終的な過失割合を決定するものではありません。甲に記載されたからといって、すべての責任があるわけではない点を理解しておいてください。過失割合の仕組みについては「交通事故の過失割合とは?決め方と事故パターン別の目安」で詳しく解説しています。
事故証明書がない場合の対処法
何らかの理由で交通事故証明書が取得できない場合、どう対応すればよいのか整理します。
警察に届け出をしていなかった場合
事故当日に警察を呼ばなかった場合でも、後日届け出をすれば事故証明書の発行が可能です。ただし、時間が経つほど事故の痕跡が消え、受理が難しくなります。目安としては事故から数日以内に届け出るのが望ましい。1週間以上経過すると受理されないケースもあります。
どうしても事故証明書が取得できない場合
警察への届け出が遅すぎて受理されなかった場合、保険会社に「人身事故証明書入手不能理由書」という書類を提出することで、保険金の請求が認められるケースがあります。ただしこれは例外的な措置であり、確実に保険金が下りる保証はありません。
保険の受付をしていた頃、「事故証明書がないけど保険を使いたい」という相談は本当に多かった。そして毎回思うのは、「事故のときに警察を呼んでいれば、こんなに面倒なことにはならなかったのに」ということ。数分の電話一本で済むことを怠ったために、何日も何週間もかかる手続きに追われる。事故が起きたら、とにかく警察。これだけは絶対に守ってほしいです。
事故から5年を過ぎると申請できない
交通事故証明書の申請期限は事故発生日から5年以内です。5年を過ぎると、警察の記録が保存されていても証明書は発行されません。保険金の請求や示談交渉のために必要になりそうな場合は、早めに取得しておきましょう。
事故証明書と保険の関係
事故証明書は保険手続きの「入場券」のようなもの。ここでは、保険の種類ごとに事故証明書がどう関わるかを整理します。
自賠責保険と任意保険、どちらにも必要
事故証明書は自賠責保険の被害者請求でも、任意保険の保険金請求でも提出を求められます。自賠責保険は相手の人身被害のみを上限付きで補償する最低限の保険であり、それだけではカバーしきれない部分を任意保険で補う仕組みです。この2つの保険の違いをしっかり理解しておくことは、事故後のスムーズな対応に直結します。詳しくは「任意保険と自賠責保険の違い|補償範囲・保険料をわかりやすく比較」で解説しています。
もらい事故でも事故証明書は必要
自分に過失がゼロの「もらい事故」の場合でも、事故証明書は必要です。もらい事故では自分の保険会社が示談交渉できないという特殊な事情があるため、事故証明書と合わせて弁護士費用特約の活用も視野に入れておきましょう。もらい事故の詳しい対応方法は「もらい事故の対応|被害者が知っておくべき手順と注意点」をご覧ください。
保険を使うべきか判断する材料にもなる
事故証明書を取得したからといって、必ず保険を使わなければならないわけではありません。修理費が少額の場合は、保険を使わず自費で修理したほうが翌年以降の保険料を考えるとトータルで安くなるケースもあります。保険を使うかどうかの判断基準については「事故で保険を使う?使わない?損しない判断基準と具体的な計算方法」で詳しく解説しています。
事故証明書は「事故が起きた事実」を証明するだけの書類であり、過失割合や保険金の額を決めるものではありません。事故証明書の取得→保険会社への連絡→示談交渉→保険金の支払いという流れの中で、事故証明書はあくまで「最初の一歩」です。全体の流れを把握したい方は「事故後の対応手順」もあわせてお読みください。
よくある質問
まとめ
交通事故証明書は保険手続きの基盤となる重要な書類です。取得自体は簡単ですが、前提として警察への届け出が必要です。
- 交通事故証明書は保険金請求に必要な公的書類
- 警察に事故届け出をしていないと発行されない
- 申請は窓口・郵送・インターネットの3通り、手数料は1通800円
- 保険会社が代行してくれるケースも多い
- 自賠責保険・任意保険どちらの請求にも必要
- もらい事故でも事故証明書は必須
- 事故から5年以内が申請期限
- 後日届け出は可能だが、早いほど受理されやすい
事故が起きたら警察に届け出→保険会社に連絡→事故証明書を取得。この流れを覚えておけば、手続きで困ることはありません。

